Twitterで面白いことを言っている人たちがいた。

 



 

 

可能性をシラミつぶしする過程で、失敗する人がたくさん出るのが科学である。

これはよくわかる。

そして、そういう人を国がやとって好きな研究させるのがいい、というのがTwitterでよく見かけるインテリジェントな人々の意見だね。

 

粒沢もかつてはそう思っていたし、今でも万が一政府の姿勢が変化して国が多様な研究をサポートするというメッセージを送ってくれるなら大歓迎ではある。

だけど、そういうことはなかなか起こらないんだよなあ。

 

今の与党にせよ野党にせよ、科学に投資という話は一切争点にすらなっていないよね、少なくともここ10年以上。

政治の流れを変えるためには、科学者が徒党を組んで与党に働きかけたり自ら政党を作って政権を奪取すりゃいいのにな、とも思う。

そして、科学者たちにとって良い政策をする政府に国を変えていくのだ。

科学界のはしくれとしては、そういうのは大歓迎だ。

 

だけど、世界の流れはそうじゃないんだよなあ。

 

アメリカでは地球温暖化は嘘だという科学軽視の大統領が爆誕し、イギリスでは科学界がこぞって大々的に反対したブレグジットが決定してしまった

世の中の人が科学を盲信しなくなったおかげで、「科学者のいうことを聞いて科学に投資することが果たして自分たちの生活を良くするのか?」というところを懐疑的に考える人が多くなってしまったのだ。

 

この流れはまあ、ざっと10年はかわらないんたろうなあと予想しています。

(あ、トランプですか?彼は多分このままいけば再選すると粒沢は思ってます。世論調査なんてあてにならないし。)

 

そういう世の中の変化に科学者も敏感にならないといけないよなあというのが、ざっくりここ5-10年くらい粒沢が思っていることです。

 

科学というのは本質的に「失敗した人」をたくさん量産する営みである。

そうじゃなかったら本当の意味の科学じゃない。

そういう失敗した人を政府が食わしてくれるのが科学者からしたらいちばんいいけど、残念ながら世の中は科学者を中心に回っているわけではない。

 

じゃあどうするか。

 

科学の世界で「失敗した人」がそれでも多少なりとも経験を生かして働けるように、微力でもいいから何か出来ることはないだろうか、というのが粒沢の最近考えていることですね。

 

もし今の仕事が軌道に乗っていろいろ自由がきくようになったら「能力と意欲があったけど分の悪いチャレンジをして失敗したある意味狂った人たち」を集めて何か新しいことをやっていきたいなあ。

というのがささやかで大それた目標なのであります。

そううまくいくかな?でもうまくいったら楽しいよな。

 

さて今週もがんばろ。

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