今、新技術の開発に重要な、とある素材の性質を調べる必要があって、どんな方法があるかいろいろ分析関係の学術論文を調べてたんだけど。

最新の技術を使った方法がある一方で、昔からあるオーソドックスな手垢のついた方法もある。

最新技術の方が、うまくいけば詳細な情報が定量的に正確にわかる

昔からあるオーソドックスな方法だと、物性のごく一面しかわからない出てくる値もどちらかというと定性的だし、あんまり正確じゃなさそう

文献をいろいろ調べている間は、この最新技術がうまくいくならこっちのほうがいいなぁと思っていた。

 

だけど、トイレに行って廊下を歩きながら頭を冷やして考えると、最新技術のほうは、冷静に考えると導入するのには色々とハードルがある。

今回の場合はコスト面では問題はなさそうだが、それでもこちらの使用条件が特殊ということもあり、思ったような結果が出ない可能性がある。

一方で、従来からある手垢のついた技術の方なら、あまり正確性のある結果とは言えないが、とりあえずざっくりした結果はとりあえず出るだろう。

 

新しくてかっこいい技術のほうに気持ちが流れるのをぐっとこらえて、今回は古くからある方法をちょっと工夫して使うことにした

同じ位技術の方だとちょっと測定している見た目が不格好だし、データも使えるものになるか微妙だなと思ったけど。
でも、最新技術の方でいろいろ頑張って最適化した結果、やっぱり信頼性が低くて使えないとわかるリスクは無視できない。
過去、いろいろ欲張って新しいモノに手出しをしたけど、何にもモノにならなかったという苦い経験も何度かある。
予算の問題だけでなく、時間も重要なファクターのだ。 

 

横井軍平氏の「枯れた技術の水平思考」と言う言葉は有名だが、枯れた技術、すなわちみんなが当たり前に使っていて目新しさがない反面性質ははっきりしている技術、こういうものを取り入れて使うことを積極的にやったほうがいい。

目新しいのは、メインの研究対象の結果だけで十分だ

それ以外の部分はなるべく従来法を使うのが望ましい。

 

結果が出るのはこれからだが、セオリーに沿った良い判断をできたのではないかと思っている。